ご相談時の状況

  家裁で係属中の遺産分割調停の案件で、中国地方の弁護士からのご相談。被相続人の兄弟の一人が既に亡くなっており、その事実が戸籍に記載されていました。その方は生前にブラジルに渡り子供がいるとの情報がありましたが、戸籍に記載がないとのことでした。日本側の相続人は、亡くなった兄弟の子であるそブラジルの相続人とはだれも連絡が取れない状態でした。

裁判所の情報では、領事館経由の送達では2年ほどかかるとのことで、もっと早い方法はないか、ブラジルにいるとみられる相続人を調査してもらえないかとのご相談でした。

調査の経緯

日本側の相続人が保管していた古い手紙の住所がありました。日本側のご親族の記憶から、お子さんの一人が専門職をしているとの情報があり、お手紙に記載されていた住所周辺で同じ苗字で専門職をしている方をインターネットで検索したところ勤務先が判明しました。

何度か電話をかけて本人と直接のコンタクトを試みた結果、ご本人とお話しすることが出来ました。

ご家族関係などからご本人であることを確認した後、今回、ご親族が亡くなったことをお伝えすると悲しまれたと同時に、日本側のご親族と連絡が取れるようになってうれしいと懐かしがっていただけました。

ブラジル側の手続きの経緯

ブラジル側の相続人が英語を話すことが出来たことから、具体的な遺産分割についてはご親族間でやり取りをすることになりました。その後、遺産分割協議の内容が固まり、相続人に調停条項案を示す段階となりましたが、裁判所から領事館を通じた書類をやり取りすると1年半近くかかるとのことで、弁護士が日本国内の代理人として裁判所からの書類を受領できるようにするため、送達場所等の届出をしてもらうことになりました。その他、調停条項案、遺産目録などををポルトガル語に訳してブラジル側の相続人に送りました。ブラジル側の相続人に記入、署名をしてもらい、さらに出生証明書や死亡証明書を送っていただき、和訳を行い家裁に提出されました。

結果

当事務所ができる範囲の手続きが終了しました。最後に、ブラジル側の相続人に分割分を国際送金するため、日本側の銀行で必要となる受け取り銀行の情報をブラジルの相続人から得て、日本側の相続人から送金を行うことができました。