<15> 住民登録がない仮放免者や外交・公用の人に対するワクチン接種について、厚労省の事務連絡

どのような外国人にワクチン接種券が送られているのか

新型コロナウィルスのワクチン接種の接種券は、自治体から発送されていますが、住民登録をされている外国人に、発送されています。

住民登録をされている外国人とは、在留資格(一般的にはビザ)の種類が、中長期のものを持っている人です。

中長期とは、3か月を超える在留期間のことで、例えば、永住者や日本人の配偶者等、留学、技術・人文知識国際業務といった就労の在留資格も含みます。

一方、住民登録されていない短期滞在者には、住民登録がありませんので、通常、ワクチン接種券が送られません。

短期滞在者とは、3か月以下の在留期間が定められた人のことで、観光で訪れた短期滞在や3か月以下の在留期間を指定された特定活動などがあります。

外国人の住民登録については、「住民登録がある外国人と、ない外国人」をご覧ください。

また、オーバーステイなどで非正規で滞在する人にも、ワクチン接種券は自治体から発送されません。

仮放免者のワクチン接種 国の方針は?

新型コロナウィルス感染症は、一人一人が気を付け対策に取り組む必要があります。

では、国はこうしたワクチン接種券が発送されない人=住民登録がされていない人、について、どのように考えているのでしょうか。

今年の3月に厚生労働省が、都道府県向けに事務連絡を出していて、それが自治体の指針となります。

オーバーステイなどが原因で非正規滞在となった人は住民登録がありませんが、収容されずに仮放免となっている場合、その人が住む自治体は、「接種券の発行を行うように配慮してください」としています。

まずは、仮放免者から住んでいるところの区役所や市役所に申請をする必要があります。

出入国管理及び難民認定法第54条第2項の規定により仮放免をされた者(以下「仮放免中の者」という。)のうち、実施主体である市町村の区域内に居住していることが明らかなものについては、仮放免中の者から申請があった場合に接種券の発行を行う等、新型コロナ予防接種を受けることができるよう適切な配慮を行うこと。

https://www.mhlw.go.jp/content/000763148.pdf

https://www.mhlw.go.jp/content/000763148.pdf

000763148

住民登録がない「外交」や「公用」の人はどうなるか

日本にある大使館や領事館で働く人を対象とした、在留資格「外交」と「公用」は、住民登録ができません。ですので、自治体が住民登録ベースで送っているワクチン接種券は自動的に郵送されません。

ですが、下記の事務連絡の通り、細かい要件はありますが、「外交」と「公用」の人も、その大使館などがある自治体に申請することで、接種することができます。

また、大使館、領事館に当たらない、台湾日本関係協会と駐日パレスチナ総代表部の職員は、在留資格は「特定活動」です。この場合の特定活動は、外交又は公用の在留資格が決定された者に準ずる者として法務省令で決められているものです。

ですので、外交や公用と同じ扱いとされます。

https://www.mhlw.go.jp/content/000762996.pdf

000762996

短期滞在者は対象外だが、接種できる可能性はある

短期滞在の在留資格は、最大でも1回に90日の在留期間しか許可されません。3か月以下の在留期間のため、住民登録ができません。

なので、短期滞在の人は、本来はワクチン接種の対象外です。

ですが、コロナの影響で帰国できない人が、やむを得ず短期滞在の更新を繰り返し、実質的に住んでいる状態となっていることについて、愛知県の知事が厚労省に確認して、接種を認めるとしたとニュースでありました。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/110246

ソロモン諸島から愛知県豊橋市を訪れた親子が新型コロナウイルスのワクチン接種ができず、帰国できなくなっている問題を巡り、愛知県の大村秀章知事は10日の記者会見で、本来は接種できない短期滞在の外国人でもやむを得ない場合は接種を認めるとの見解を、厚生労働省が県に示したと明らかにした。

【関連記事】観光ビザでワクチン接種できず…コロナ禍で祖国に帰れない 県によると、厚労省は9日に県からの質問にメールで回答した。

短期滞在の外国人は接種の対象外との原則を示しながら、やむを得ず在留期間を更新して3カ月以上、日本にいる場合は「居住の実態があると考えられる」と指摘。
希望すれば、居住を証明する書面などがなくても接種できるような配慮を求めた。 親子は昨年2月、日本人に嫁いだ家族の最期をみとるため来日。

その後、コロナの流行でワクチンを2回以上接種しないと帰国できなくなったが、短期滞在の観光ビザしか持っていないため接種の対象外とされ、1年以上も足止めされている。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/110246

都内のいくつかの区のHPを見ると、「短期滞在はワクチン接種の対象となりません」とだけ書いている区もあれば、葛飾区のように、「状況に応じて、対応する」と説明しているところもあります。

葛飾区HP https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000050/1001797/1026120/1026123.html

やむを得ず在留期間を更新し3か月以上日本に在留しているような場合は居住の実態があると考えられることから、接種券を発行することができます。

https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000050/1001797/1026120/1026123.html

3か月以下の在留期間の特定活動の人も住民票がありませんが、現時点で、明確にワクチン接種について説明された資料がなく、今後も状況を見ていきたいと思います。