<14> 在留期間を更新するための要件とは? (後編)

前編のおさらい

今回は、在留期間を更新するための要件について、「後編」です。

前編はこちら ↓

入管のガイドラインです。

http://www.moj.go.jp/content/001313775.pdf

001313775

ポイント

前回は、上にあげたガイドラインに書かれている、審査の判断材料の1と2を解説

しました。

今回は、3項目目以降を見ていきます。

審査の判断材料

3. 現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと

在留期間の更新や、在留資格の変更申請をおなった時点で、それまで持っていた在留資格で定められていた活動をきちんとを行っていたか、が問われています。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」で在留していた人が、会社を辞めたあと、入管に許可なく、コンビニのレジでアルバイトをしていた場合は、在留資格外活動を行っていたことにはなります。

「技術・人文知識・国際業務」で定められた活動は、ざっくり言うと、オフィスワークです。コンビニのレジは、入管のルールでは、単純労働に該当します。(最近のコンビニのレジ業務は、複雑だと思いますけどね)

現在、コロナの影響で休業した人や失業した人については、オフィスワーク系の就労の人にも資格外活動許可を出す運用となっています。

資格外活動許可を得れば、許可の範囲内でコンビニのレジのアルバイトは可能ですが、例外がない限り、就労系の在留資格の人が活動制限外の仕事をしてはいけません。

尚、このガイドラインには、「現に有する在留資格に応じた活動を行わないで在留していたことについて正当な理由がある場合を除き」と書かれています。

要は、もし、正当な理由があれば、新たな更新や変更や変更申請の際、応じた活動を行っていなかったからと言って、これが原因で不許可にはならない、ということです。

正当な理由とは、就労系の在留資格の人が、就職活動をきちんと行っていたり、日本人の配偶者の人が、DVから逃れるためにやむを得ず避難して別居しているケースなどが当てはまると考えられます。ただ、ケースバイケースです。これらについて、理由がある場合は、積極的に理由説明書や根拠となる資料を作って、入管に文書で説明することが重要です。

4. 素行が不良でないこと

特に、就労系の在留資格の人は、素行について厳しくみられる傾向にあります。

現に、同じ犯罪でも、就労系の人は、退去強制の対象となる一方、永住者や日本人の配偶者といった身分系の人は対象とならない場合があります。

とはいえ、更新や変更の審査は、他の要素も含めて総合的に判断されますので、退去強制とならない場合でも、素行不良と見なされれば、不許可になりえます。

正当な理由がある場合には、説明をするようにした方が良いと思います。

5. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

ガイドラインに書かれているように「公共の負担となっていない」つまり、生活保護などの公的な支援を受けているかどうか、です。

一律の要件を満たし、申請をしたら給付される一般的な子ども手当や、児童扶養手当などは、公的な負担になっているとは言えないと思います。

外国籍で生活保護を受けることができるのは、一般的に、「永住者」や「日本人の配偶者等」「定住者」です。

この中で、在留期間の更新が必要な「日本人の配偶者等」「定住者」は、生活保護を受けていても更新できないというケースはあまり見たことがありません。

ただし、新たに許可される在留期限は、1年のみで、3年や5年は許可されないケースがほとんどです。

1年の在留期間の許可では、永住申請の要件に満たしませんので、必然的に、「日本人の配偶者等」「定住者」を1年ごと、更新し続けることになります。

6. 雇用・労働条件が適正であること

会社が労働者を雇用する際の環境整備や労働条件に付いての審査は、入管は最近厳しくなっていると感じます。

例えば、在留期間更新の際、会社が健康保険、年金に加入しているか、雇用保険に加入しているか、といった視点です。

加入していないのは、会社の責任で合って、労働者にはどうしようもない時も多く、一律に不加入=不許可 とはしていません。

ですが、労働条件が適切ではない環境で労働をすることは、労働者自身にしわ寄せがくることにもなります。

労働者を守る意味でも、入管の審査というより、制度自体に義務化を厳しくしていく必要があると思います。

7. 納税義務を履行していること

住民税や所得税などの未納がある場合、更新や変更申請の際、マイナスの要素となります。

できる限り、支払える分は追納して、何か理由があって支払うことができない場合は、説明書を出したほうが良いでしょう。

8. 入管法に定める届出等の義務を履行していること

就労の資格を持つ人が、会社を辞めた時には、14日以内に入管に届出をして報告をしなければならない、というルールがあります。

また、在留資格「日本人の配偶者等」で在留していた人が、配偶者と離婚したり死別した場合も、14日以内に届出をだす必要があります。

この届出は、入管に直接出向いて出すこともできますし、入管のHPからオンラインで行うことも可能です。

所属機関等に関する届出手続

更新と変更の申請のとき、1日でも過ぎたら必ず不許可になるわけではありませんが、マイナスの判断材料となり、総合的にみて不許可の一因ともなりえます。

14日が過ぎていると築いた時点で、1日でも早く届出を出してください。

まとめ

以上、入管が公表している、更新と変更の際の審査についてみてきました。

今までいろいろなケースを見聞きしてきて、入管が審査の過程で一番嫌がるのは、申請者に嘘をつかれる、ということです。

申請者は隠し通せると思ったマイナスの点も、審査の過程で入管が審査官が矛盾を感じたり、根拠となる資料がさらに必要だと考えたら、追加資料を要求されます。

もし、審査でマイナスになる要素があるなら、自ら理由を説明する文書を出したり、時には反省文を出すことをお勧めします。

よく、同じようなケースで、あの人は3年の在留期限が許可されたのに、自分は1年もままだ、ということあがります。一見、同じようなケースと思われても、まったく同じケースというのは、一つとしてありません。

在留歴、就労条件、納税状況、生活歴等々、様々です。

入管の審査官も人間なので、見逃しをしてしまう点もあり、逆に、しつこく(すいません)資料を求めてくる場合もあります。

一番のポイントは、正直に説明を尽くす、ということだと思います。