所有者不明土地の登記問題、ブラジルに移民した相続人がいたら・・・

2020年1月12日の読売新聞の記事に「所有者不明土地 登記促す負担軽減策が必要だ」というものがありました。

読売新聞 記事 https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200112-OYT1T50019/

数年前から検討されているこの問題ですが、全国に九州の面積を上回る所有者不明の土地があり、公共事業や災害の復興の際に妨げになることは既に多く発生しています。

このような記事を読む度に、相続人の中にブラジルに移民した親族がいる場合のことを想定してしまいます。

まず、海外に移民した相続人がいる場合、代襲相続が行われている場合は特に、その親族が戸籍で確認できません。移民先の多くの国(ブラジルやその他の南米、北米)は、生地主義といって、その国で生まれた人にその国籍が付与されます。そのため、出生時に親がわざわざ現地の日本領事館に出生届を出して国籍留保までする人は多くありません。ブラジルで生まれたらブラジル国籍者として生活している人がほとんどです。

このような状況で日本国内の書類だけでは、相続人の特定からして困難が伴います。日本国籍を持っている方が存命してていると推定される場合は、外務省を通して在外邦人の所在調査をかけることが可能です。

それも見込みがない場合、当事務所の場合はインターネットを使ってポルトガル語による調査をします。

そうして相続人が見つかった場合、多くのケースでは日本にそのような親せきがいたことに驚き、更に土地が相続財産となり、自分にも何分の1、小さなケースでは何十分の1の割合で相続の権利があることを知らされます。

ブラジルの方の反応は様々で、記憶にはない親族だけれど親の故郷であり快く手続きに応じてくれるケースや、何十分の1だけれど相続権を主張されるケースがあります。

相続権の主張は当然の権利なのですが実際に訴訟を起こすとなると日本の弁護士に代理となってもらい、更にポルトガル語の通訳・翻訳を入れると負担となる金額は大きくなり、地方の故人の土地や宅地の場合ではメリットがない場合がほとんどです。また日本側の親族にとっても裁判で争うことになると、労力や金銭的な面での負担が大きくなります。

ですので、遺産分割協議書や譲渡証明書で相続分を譲ってもらう代わりに謝礼や代償金を送ることでまとまることがあります。それでも、相続権を主張されるケースもあるのですが。

今回のこの記事にある簡易な登記とする方向は良いと思います。あとは、相続人の特定する段階で海外に移民した親族がいる場合で何か対策がないものかと思っています。

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